私は今日も仕事に行く。
工場について、自分の席につく。
仕事内容はいつもと同じ。
時計の文字盤にラジウムという夜光塗料を塗り、夜でも見やすいように仕上げること。
繊細な作業になるので、時には筆をなめて筆先を整えることもある。
この技は研修中に工場長から教わったものだ。
仕事は大変だけど、同僚はみな同年代の女の子ばかり。
仕事終わりにそのままの恰好でクラブに行くこともあるから、工場にはおしゃれをして行く。
たくさん騒いで、興奮冷めやらぬまま眠りにつく。
それが一番の楽しみ。
家族は戦争に行っている。
私も国に貢献しなきゃという思いで、今日も私は工場へ向かう。
【意味怖】工場 の解説
ラジウムという物質は、放射能を発するかなりの有害物質。
それがついた筆をなめたりしていたのだから、この子は既に手遅れの可能性が高いね。
一番の問題は、これは約100年前のアメリカで実際にあった話だということ。
工場側はラジウムの危険性を知っていた上で、働く女性たちにそれを伝えなかったんだよ。
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