今日は朝から頭が痛い。少しクラクラしている。
だが弱音は吐いていられない。
今日は手術の日。私が執刀しなければこの病院に代わりはいない。
なに、そう難しい手術ではない。
多少コンディションが悪くても大丈夫だ。
私は自分を鼓舞し、手術室へと入る。
横の看護師に逐一指示を出し、手術を進める。
…ふう。これで手術は完了だ。
なんだかいつもより苦戦したが、無事終えることができた。
私はホッとして手袋と帽子をとり、作業台に置いた。
「あとの片づけと経過観察は頼むね。私は少し休むよ」
私は手術室を後にし、仮眠室へと向かう。
残された看護師は作業台に残された未使用の麻酔を見て、一気に血の気が引いていくのを感じた。
【意味怖】執刀 の解説
作業台に未使用の麻酔が残っているということは、この手術では麻酔を使わなかったということ。
体調が悪かったとはいえ致命的なミスをした執刀医。
指示待ちで気づかなかった看護師。どちらも悪いけど、なによりこの患者さんは不憫だね…
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