私はこの研究に命をかけている。
寝る間を惜しみ、食べるのも二の次、家族のことも後回し。
そうやってこの研究を進めてきた。
そして、とうとう新しい細胞を発見することができた。
私は一緒に研究をしてきた高齢の師匠と共に抱き合って喜んだ。
ついに努力が報われる。そう思った。
これを発表すれば賞金だってもらえるに違いない。
科学者としての栄誉に加え、家族に裕福な暮らしだってさせられるはずだ。
家族にはずっと迷惑をかけてきたから、早く良い思いをさせてやりたい…
数か月後、私たちの研究成果をまとめたものは見事賞を受賞した。
わけあって、私が貰える賞金も倍になった。
私は涙をこらえ、授賞式に臨んだ。
【意味怖】研究 の解説
この人の師匠は高齢で、細胞を発見してから賞を受賞するまでの間で亡くなってしまった。
だから本当は二人で半分にするはずだった賞金が倍になったんだよ。
寝る間を惜しんでご飯もろくに食べずに研究をしてたから、語り手はまだ耐えられても高齢の身体は耐えられなかったんだね。
受賞の嬉しさと、隣にいたはずの者がいない悲しみが混ざった涙…
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